特集 ことば/文学の中のモリオカ
2024/3/1
文学の中のモリオカ
琢木や賢治が青春時代を過ごし、いくつもの物語や短歌の舞台になった盛岡。街並みは少し変わったかもしれないけれど、ここに流れる空気は、彼らが描いた頃の匂いを今もまだ纏っているように思います。本特集で取り上げた「盛岡ノート」とあわせて、「文学の中盛岡」をお届けします。
宮沢賢治 1896−1933
詩人、童話作家。現在の岩手県花巻市生まれ。県立盛岡中学校(現・盛岡第一高等学校)、盛岡高等農林学校(現・岩手大学農学部)に学び、青春時代を盛岡で過ごす。盛岡市がモデルのモリーオ市は、イーハトーヴの首都。
明治38年に県内で初めて電燈が灯された盛岡市。橋や川を縁取った灯りは、少年賢治の目にはモダンに映ったことだろう。ここで言う銀行は、現在の岩手銀行赤レンガ館。
石川啄木 1886-1912
歌人、詩人。現在の盛岡市日戸生まれ。岩手県盛岡尋常中学校(県立盛岡中学校)に学ぶ。「一握の砂」は生前に刊行された唯一の歌集。旧盛岡中学校跡である岩手銀行本店横にこの歌の歌碑が建てられている。
雑誌「明星」にて妻の節子との連名で発表された「中津川や」の歌を刻んだ小さな歌碑は、中津川沿いの散策路、盛岡市役所に面したあたりで見つけることができる。
立原道造 1914-1939
詩人、建築家。詩人、建築家。東京都生まれ。1938年に第1回中原中也賞を受賞するなど、詩人として活躍する一方、東大建築学科に学んだ建築家でもある。盛岡市愛宕山の中腹に詩碑が建てられている。
「盛岡ノート」は、立原が盛岡に滞在した1ヶ月に綴った手記を1978年にかわとく壱番館が刊行したもの。長らく完売状態が続いた後、2023年に再刊版が増刷された。
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