特集 郊外へ/実食!郊外ごはんトーク「髭と支所前」
2025/12/9
▶︎ ゲストのお二人
| 佐藤秀継 さん |
八幡町を中心に食べ歩き。昭和の大衆食堂と喫茶店が好物で、味以上に雰囲気重視?! 自称味オンチ。 Instagram/@hidetsugusato
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| 砂を さん |
女版、孤独のグルメ。カフェから寿司まで、食事の備忘録を投稿。ハイライトは時間を溶かす覚悟で見るべし。 Instagram/@eat_sunao |
盛岡をホームグランドに、いつもおいしそうな料理や店をインスタグラムで紹介しているお二人を招いて、郊外のお店やご飯についておしゃべりしてみました。
お二人の前には郊外グルメの名品と誉れ高い「支所前食堂」のホルモン鍋と「髭」の冷麺もご用意。次々出てくる店名の数々、ぜひリンクを参照しながらご覧ください。
盛岡の食いしん坊注目のお二人が登場!
盛星:佐藤さんといえば食堂、みたいなイメージがあります。
佐藤:確かに好きですね。ディープな昭和の大衆食堂や純喫茶とか。
砂を:この間、「ぽん太」に行ってましたね?
佐藤:「ぽん太」行きました!
砂を:同僚がよく「ぽん太行こうぜ」って言ってるーと思って。
佐藤:ここは結構最近まで知らなくて、初めて行ったんです。
盛星:お二人はいつもどんなふうに食べ歩いているんですか?
砂を:今は好きな店しか行かなくなって、あまり新規開拓をしてないんです。
佐藤:私は逆ですね。1 回行けば満足。もちろん気に入れば行きますけど。
砂を:いいですね、新しい発見を楽しむタイプ。
盛星:お店はどうやって探すんです?
佐藤:前は、入ったことのない道があればとりあえず曲がったりして(笑)
砂を:すごい(笑)
盛星:あてもなくローラーしていく(笑)
砂を:私はそういう開拓系の人に連れてってもらって初めて知るタイプです。
佐藤:この週末に宮古市に行ってきたんですけども、家族は行く途中に買ったものを海で食べて。
砂を:それもいいですねえ。
佐藤:自分だけ「じゃ行ってくるわ」って、「喜福」っていうテーブル3つしかない町中華に行きました。
一同:(笑)
佐藤:そんな感じで一人で行くことが多いですね。
盛星:砂をさんはランチが多いんですね。
砂を:そうですね。月の半分ぐらいは出張なので、行った先で食べたり。でも、食べるために出かけたりもするかな。ハシゴして食べたりもありました。
佐藤:食べて、また食べる?
砂を:今はもうできないですけど、20代の時は食べたいと思ったら2軒、3軒と。
佐藤:へえ、すごいなあ。
砂を:いろんなものを食べてみたい欲が強くて(笑) まだあんまりインスタも頑張ってない頃ですね。
396号線沿いはいいライン
砂を:郊外といえば、乙部とか手代森方面はいろいろありますよね。「ひっつみ亭」とか。あとなんだっけ? あのお蕎麦屋さん(スマホで調べる)
砂を:(Googleマップ見ながら)あ、ここです。「石うす手打そば百壱楠」。行くくせに名前を覚えない(笑)
佐藤:あ、「ひっつみ亭」よりも手前の?
砂を:そうですね。あとその近くには「チームhajime」がありますね。
盛星:何屋さんですか?
砂を:焼肉です。面白い名前ですよねえ。友達が行ってて、それにくっついてったら結構よかった。ちゃんと炭火焼きで。
佐藤:あの道沿いはいい店がありますよね。密集はしてないけど、ぽんぽんぽんって。
砂を:あと洋食のお店もありますよね。
佐藤:「びって」ですね。あそこも良かったです。本格的なお店ですよ。
砂を:まだ入ったことないです。行ってみたいなあ。
佐藤:そっち方面だと「横屋食堂」もありますね。
砂を:ありますね、うん。
佐藤:大衆食堂というかラーメン屋というか。今は揚げ物をやめちゃったんすよね。前はカツカレーとかがあったんですけど。
砂を:あの辺のラインはなかなかいいですね。
おしゃれ系から冷麺まで
砂を:おしゃれ系に行くとですね。
盛星:聞きたい!
砂を:お友達がやってるんですけど、あそこは津志田になるのかな? 「VEGETARIAN CAFE LOONEY」。ローフードとかのお店です。
盛星:ふむふむ。
砂を:いつも体に悪いことしてるんで(笑)、体にいいことしてみようかなって思って行ったらおいしかったんですよね。「カラコマ」さんも美味しいですよね、あそこは中心部ですが。
盛星:「LOONEY」はどんなメニューがあるんですか?
砂を:アサイーボウルがメイン。他にも色々あったんですけど、人気が出すぎてメニューを絞ったみたいです。
盛星:あの辺りも掘ればお店がありそうですね。
砂を:「龍泉」は行くかな、私。
佐藤:焼肉屋さんでしたっけ?
砂を:そう、冷麺は「髭」とは違うタイプでこちらもおいしいです。白濁系のスープなんですよね。
盛星:へえ~。
砂を:ちょっと値上がりしましたけど、今も結構安いですね。
盛星:本宮に「こま食堂」ってあって。
佐藤:ああ、はいはい!
盛星:そこの冷麺も美味しいです。そば冷麺なんですけど。
砂を:「楽酔」の近くなんですね。
佐藤:なんだそれは? 聞いたことない。
砂を:居酒屋です。大槌からの直送とかで。ここはチャーハンなんかも美味しいんですよ。唐揚げとか。でも夜しかやってないんですよね。
盛星:冷麺はいろいろと派閥(?)がありますが、佐藤さんはどうですか?
佐藤:私はもう「もりしげ」ですね。
盛星:佐藤さんらしい…(笑)
砂を:山岸、浅岸ら辺だと「アサヒ」も美味しいって言いますね。前は「ブッチャー軒」だったところ。
冷麺の辛みはつけダレ?!
(「髭」の冷麺が出てくる)
盛星:キムチは大丈夫ですか?
砂を:大丈夫です。 でも私、なくても大丈夫な人です。
佐藤:うん、私も入れないすよ。お店では。
盛星:あ、そうなんですか?
佐藤:はい、全く入れないですね。
盛星:全く?!
砂を:私は漬け物として食べてます。
佐藤:そうそうそう。だからキムチの器をつけダレにしてこう(ざる蕎麦のように食べてみせる)。
一同:えーーー!
佐藤:スープはもうそのまま飲みたいんで。
盛星:なんと!
佐藤:去年あたりに編み出しました(笑)
盛星:実は編集部にも全く同じ食べ方を発明した人がいまして…(笑)
佐藤:えー!
砂を:すごい! 今後その派閥が出てくるかもしれないですね(笑)
流通センター方面はがっつりライン
佐藤:流通センター方面だと、「ドライブイン藤原駅」はすごくいい感じですよね。あのサビれ具合が好きですね。
砂を:あー、いいですね。
佐藤:あと近くに「プラスパ」っていう喫茶店があって。
盛星:わー、聞いたことないです。
佐藤:80年代風の懐かしい感じです。食事メニューも多いし店の雰囲気も素敵でお店の人も感じがいいんですよ。
砂を:この近くの「栗林」も美味しいですよね。
佐藤:ああ~! はい!
砂を:人気で混んでますもんね。
盛星:何屋さんですか?
砂を:ラーメンとか? ここのラーメンが好きなんですよね。
佐藤:私はその「栗林」の隣の「めしや哲」が…
盛星:ははは、つぎつぎ出てくる(笑)
砂を:私入ったことないんですよね。「なんだろうここ」って思ってました!
佐藤:土日はここが神子田朝市に出店してるんですよ。
砂を:へえ~!
佐藤:肉を焼いたりしてるんですけど、流通センターに店があるって聞いたから行ってみたらよかったですよ、ボリュームがあって。米が高くなる前まではご飯のお代わりも自由でした。いい接客してくださるし、おいしくて量もあるし。子供メニューもあってそれが結構安いんですよ。
砂を:そういうお店はうれしいですね。ファミリーもだし、トラック運転する人たちも多いから、がっつり食べられて。
佐藤:さっき言った「ドライブイン藤原駅」もやっぱりがっつり系です。
砂を:ここのラインもいいですね。さっきの「黒川ライン」は地元の人たちも楽しんでたりするし、郊外って、そういう地域柄も楽しいです。
食堂から喫茶店まで
砂を:ちょっと北の方に行くと、学生が絶対行くのは「盛食(盛岡食堂)」ですね。
佐藤:うん。うん。
砂を:大学生の時は、まあ行きました。
佐藤:あとは今は無き「キッチンあべ」。
砂を:…懐かしい!
盛星:行きましたか?
砂を:行きました。行きました。それこそ学生時代に。
盛星:みんな行ってましたよね、あそこら辺は。
佐藤:(メモを取り出しながら)ちょっと街なかに寄っちゃうけど、おすすめは「カフェド ポンーヌフ」。中央通りの突き当たりのところです。
砂を:梨木町ですかね。
佐藤:ずっと昔からやってるようなお店で。ノートみたいな紙に、毎月1日はこれ、2日はこれって手書きのメニューをコピーして置いてて。
砂を:そんなの佐藤さん絶対好きじゃないですか(笑)
佐藤:洋食系で、結構どれも美味しかった。
砂を:うん。うん。うん。
佐藤:よかったら是非行ってみてください。
砂を:なんかあそこら辺も結構良さそうなんですよね。行きたいなと思いつなかなか行けてなくて。
佐藤:喫茶店も好きなんですが、「花耶」っていう喫茶店があって。
砂を:あ、分かります!
佐藤:旭橋のたもとの。あそこは結構古いですよ。橋ができる1 年前だから。
砂を:え?! めっちゃ古いじゃないですか。
佐藤:そしてここには麻雀のゲームテーブルがあります。
砂を:あ、いいですねえ。
佐藤:私、ゲーム筐体がある店が好きで。
盛星:他はどこにあります?
佐藤:例えば上田の「アタック」。
砂を:「アタック」にあるんだ!
佐藤:まあ、現役で動くのはほとんどないんで、飾りですね。でも「花耶」のは動きます。
砂を:喫茶店繋がりで郊外で新しいところだと、「れんげ喫茶店」とかは結構好きですね。
盛星:あ、聞いたことあります!
砂を:可愛らしいお店です。「ふるさと屋」とかの近くなんですけど、
佐藤:「ふるさと屋」もいいですねえ。
砂を:女性一人でやっていて、話すとめっちゃ面白いです。BUCK-TICKのファンだったりして(笑) 炭治郎イメージの市松模様のケーキがあったり。手作りで美味しいんですよ。
盛星:SNSがお上手ですよね!
砂を:そうそう、そして本当に美味しいです。今時っぽさがありつつ昔っぽさもあって、(画面を見せながら)こういうピザトーストみたいなのも出してくる。
佐藤:へえ~。
砂を:おしゃれに振り切ろうとしてないとこが結構好きなお店です。
有名食堂も結構あります
盛星:食堂で言うとみたけや青山方面もたくさんありますね。
佐藤:有名なのは「田舎家食堂」とか。
砂を:はい、はい。
佐藤:「みよし食堂」とか
盛星:ええ、ええ。
砂を:あちらだと「らあめんサンド」の近くの「栗はた」っていうお寿司屋さんは、「重兵衛」さん出身で、最近行ってないんですけどそこも美味しいです。
盛星:あの、看板がめっちゃ渋い?
砂を:多分そう! いいお店なんですよ~。私、気に入ると 2 日連続で行ったりするんですよね。「おいしい!」って思ったら次の日もそれ食べたいみたいになって。
守りたい店は通う
盛星:閉店してしまって残念なお店っていうのもありますよね。
佐藤:津志田方面の国道4号沿いの「吉松食堂」はよかったですよ。もうレトロな感じで。
盛星:ありました、ありました。
佐藤:店主さんの趣味だと思うのですが、店内に昔の農機具がずらっと飾られたりして。
盛星:へえ~! 変わってますね。
砂を:亡くなってしまってっていうのもありますね。前に、居酒屋さんとかお寿司屋さんとかで50代くらいの店主さんたちが続けて倒れてしまってということがあって、悲しい気持ちになったんですよね。
盛星:ああ…
砂を:頑張ってた世代だから過労もありますよねえ。
盛星:たしかに飲食店って、時間も長くて大変でしょうから…
砂を:だからあの、飲食店の皆さんは体に気をつけていってほしいです。じゃないと私たち悲しくなっちゃうんで是非お願いします。無理な営業をなさらず。
佐藤:ほんとそうですね。
砂を:で、みんなで食べに行きましょうと。ちゃんとお金落とすんで健康でいてくださいって思ってます。
盛星:お金といえば、食費は結構かかりそうですが?
砂を:やばいですね。私のエンゲル係数はもう大変ですよ。佐藤さんはどうですか?
佐藤:前はそうでしたけど、今はランチを週に1回行くか行かないか。普段は切り詰めてますよ。
砂を:えらい~! 私も今は減りましたけど、昔は週9とかで外食でした。
盛星:えええ?!
砂を:昼は毎日、更に夜も行くみたいな感じで、地獄のように(?)食べてましたね。
佐藤:私も昔はそうでしたねえ。
砂を:でも減りました。やっぱり太っちゃうし。あと眠れなくなったりして健康に良くないので。
佐藤:うん。うん。うん。
砂を:その分、守りたい店に通ってると思います。郊外のお店って、地元の人に愛されてる感じがしますよね。わざわざ行く価値を見つけられるとテンション上がります。
カツカレーになればOK?!
盛星:ちなみに好き嫌いはあるんですか?
砂を:それよく聞かれるんですけど、「まずいもの」って言ってます。
佐藤:私はネギが食べられなくて。
砂を:え、そうなんですか?
盛星:食堂だとやたら入ってそうです。
佐藤:そうなんですよね。本当はネギ抜きで頼みたいんだけども、本当はネギがあるのにネギがない写真をあげたら失礼じゃないですか。
盛星:逆に好きな料理っていうと何ですか?
砂を:寿司ですね。前は寿司、焼肉、そばって言ってましたけど。
盛星:そばだとどこですか?
砂を:中心部になっちゃいますが、やっぱり「やまや」が好きかなあ、うん。
盛星:おいしいですよねえ。
砂を:つけダレがキリっとしょっぱい方が好きなんです。「やまや」では「鴨つけ」一択。
盛星:おおお~。
砂を:そんな感じなので、もう同じ店しか行かないんです。
盛星:佐藤さんは好きな料理っていうと。
佐藤:何でしょうね。食べるのが多いのはカツカレーですよね。
盛星:ほうほう。
佐藤:カツもカレーもそんな好きじゃないんですけど、カツカレーは好きで。
一同:(笑)
盛星:食堂ってメニューがたくさんあるじゃないですか。
佐藤:ええ、ええ。
盛星:で、初めて行った店で何食べるか問題ってあると思うんですけど。
佐藤:カツカレーが多いかなあ。
砂を:やっぱりカツカレー(笑) 私はチャーハンにしちゃうなあ。
佐藤:私は薄めのカツがいいんで、カツカレーだとちょうどよくて。
砂を:カツの存在感がありすぎてもっていう時ありますもんね。
佐藤:「キッチンあべ」のカツカレーとか好きでしたよ。
地元のお店を大切にしたい
盛星:最後に、食べ歩く街として、盛岡はどう見えていますか?
佐藤:昔ながらの店が減っているのは寂しいです。そんな中でもひっそり頑張ってる店はあるのでいい街だなと思いますけど。
盛星:お店発見の意味でもまだ楽しめてる感じですか?
佐藤:盛岡を出ればまだちょっとそういうのもあるんですが、さすがに盛岡ではないと思います。
砂を:でも「ポン太」のように初めての店があったりもしますし。
佐藤:そうですね、たしかに。
盛星:佐藤さんに切り開いていただいたおかげで、ちょっと入りにくいような渋いお店も行けたりしています。
佐藤:そういう店が好きな人に見てほしいなっていう思いでやってるのでうれしいです。
盛星:すごく助かってます!
砂を:お店はやっぱり行かないとですもんね。応援しないとっていう気持ち。
佐藤:はい、ちょっとでも入りやすくなればいいなと思ってやっています。
盛星:砂をさんは盛岡を食べ歩いていてどう感じていますか?
砂を:そうですね。若い時は街の魅力がわからなくて東京とかの方が好きでしたけど。
盛星:わかります〜。
砂を:チェーン店ばかりにならず、地元の店がちゃんと愛されてるのを見ると、大事にしなきゃなと感じるようになりました。
盛星:たしかに。
砂を:そういう雰囲気が伝わっていくと、新しい人も盛岡でならちゃんと大事にされるって思ってくれたりするのかなって。「carta」なんかも県外出身の方でしたけど。
盛星:確かに中心部の個人店などは、盛岡以外の方も多いですよね。
砂を:そういう人たちも増えると嬉しいなと思います。やっぱりこう、岩手で税金払ってくれる人増えた方がいいなって思ってるんです。
盛星:おお。
砂を:なので是非そういう風にね、皆さん(盛星)の活動でなるといいなと思ってるんです。
盛星:!!! がんばります!
思いもよらぬ盛星へのエール(激励)に辿り着いたお二人のおしゃべり。記事には載せ切れませんでしたが、市外も含めてもっともっとたくさんのお店の名前が挙がった、とても美味しい時間でした。お二人のインスタグラムでも、見切れないほどのお店やご飯を楽しんでいただけたら嬉しいです。
それでは盛岡の食いしん坊たちへ、ちょっとレアなツーショットをお届けしておしまいにします。佐藤さん、砂をさん、ご飯やローカル店への愛あふれる楽しいお話をありがとうございました!
おしまい。
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